樹種転換を試みる〜林床に光りを〜
前回光りを入れる為に決めた切り倒す木を伐採してきました。
伐採予定木は試験区域Cにある2本と区域外にある2本。南側を空ける予定です。
黄色のテープを巻いてあるのが伐採予定の木。
樹間はこんな感じです。
まずは1本目の伐採。人力で切り倒してるので凄く疲れます。樹間の様子はあまり変わらないですね。
2本目の伐採。
3本目の伐採。少し青空が大きく見えるようになりました。
4本印したのですが3本で伐採は終了しました。
4本目を伐採しても光の入り具合にほとんど影響ないと判断した為です。
写真じゃうまく伝わらないのですが木漏れ日が多く入るようになった気がします。
当初はC区域の木だけを伐採する予定だったのですがD区域にも手を入れました。
伐採前。D4になります。
伐採後。2本立っているように見えますが株で別れています。太い方を伐った方が良かったのですが人力で倒す気力がなかったです。
林床にもっと光を入れようとすると結構太い木を伐採しないといけないので、どうするか検討中です。あの太さになるとチェンソーが必要なのと私が安全に倒せる自身がないので思案しております。巻枯しするかな?
今回の作業で当初予定していた作業はひと段落しました。今後は様子を観察しながら必要があれば手を入れていきます。
試験区域内のアシビを切り取っただけでもすっきりとしました。
山遊び
風が吹くとまだ冷んやりとしますが日向ではすっかり春の陽気を感じられる1日でした。
本日は樹種転換を試みてる林内で山遊びしてきました。
前から試してみたかった林内でのキノコ栽培です。 日を入れるために間伐したカシにナメコの種菌を打ってきました。
実は前回にも穴あけハンマーを持っていってたのですが柄を膨らませてなかったので数回穴あけした時点でハンマー部が抜けてしまい菌を打ち込むまで出来ませんでした。今回は前日より処理をして準備万端でのぞみました(^○^)
植菌後日陰を作って仮伏せぽくして作業終了。
果たしてうまく菌が回ってくれるでしょうか?
苔の緑も輝いてましたね。春はもうそこまできていますね。
樹種転換を試みる〜第1段階〜
前回は区画を決めてその中にある樹木を調査したところまででした。
今回から少しずつですが手を入れていきます。
前回に試験区域の周りをビニールヒモで囲ったのですが一部のヒモが切られてました。
獣道を横断する形でヒモをはってあったので獣に切られたのかも? 人の可能性もあるのですが通い道上ではないし、山の上に行くのならしっかりした道が近くを通ってるのでおそらく人ではないと思ってます。
ヒモをはり直して全区画のアシビを切り倒しました。
アシビは鹿が食べないのでけっこう太いのもありました。
切り倒したアシビは少しは鹿の侵入防止になるかと思いテープに沿って置いておきました。
次は日光を入れる為に間伐する区画と間伐木の選定です。
試験地は南西を向いており日当たりは良い場所なので大きな間伐をしてしまうと土が乾燥しすぎてもいけないので様子を見ながら徐々に手を入れて行くことにしました。
樹間から差し込んでくる日光の様子を見ながら、まずはC区画(上の写真では南)に日光を入れることにしました。
黄色のテープを巻いてある木が間伐予定木。ピンクテープも巻いてあるのが区画内にある木です。区画内2本、区画外2本 を間伐してみる事にしました。
間伐予定木の樹間はこんな感じです。
次に山に入る時は間伐作業の予定です。
樹種転換を試みる〜試験地について2〜
試験地のに選んだ山林内です。
常緑広葉樹なのでこの時期(2月)でも林床には光があまり差込ません。それでも手入不足の針葉樹林よりは光は入ってますが。
中心にあるクヌギの木。この木の周りに落葉広葉樹が多く育ってくれればいいのですが。
試験地に手を加える前の写真です。各区画がどの写真なのかはわからなくなってしまいました(~_~;)リュックが写っているのはB区画です。
鹿が食べないのでアシビはよく育ってます。
樹間の様子はこんな感じです。この日の天気が曇りだったこともありより暗い感じに見えます。
この日は区画の周りをビニールテープで囲い各区画にある樹木に印を付けるまでで作業終了。
今後は光の入り具合を見ながらどの樹間を開けるかを検討しながら次の作業に移る予定です。
区画遠景。ピンクのビニールテープで試験区域を囲ってあります。
その後は周囲の観察を兼ねて山の上部に登って見ました。
試験地の上で見つけた落葉広葉樹。コナラなのか?シデなのか? 落ち葉で同定をしたいと思ってます。
樹種転換を試みる〜試験地の立地〜
樹種転換を試みる試験地は 吉野郡川上村のにある山林です。有名な吉野杉、桧の産地なので、針葉樹の人工林が多いのですが、試験地はカシ類の常緑広葉樹が主で尾根筋にあります。
吉野郡川上村での植林の歴史は500年前に遡る事ができ、現在でも200年を超える人工林が残る林業地帯です。試験地の周りも杉、桧の人工林です。試験地は杉、桧の植林にはあまり良くない土地だったので広葉樹のまま残ったそうです。カシ類が多いのでその木を利用して炭を焼いていた時期もあったようで、山林内には炭窯跡もあり、ここの木を利用して炭焼きを行なっていたそうです。
そんな常緑広葉樹の林の中にクヌギが生えているのを見つけこのクヌギを中心にクヌギ林にしてみたい、カブトムシやクワガタムシを見る事ができて、キノコ採りできる山林にできるのでは?と思い樹種転換を試みてみようと思ったのがこの計画のきっかけです。
試験地のある山林。尾根筋に広葉樹があり両隣は杉、桧の人工林です。この尾根筋も広葉樹だけでなく桧やモミ系の針葉樹や数は少ないですが落葉広葉樹もあります。
クヌギはわかるのですが他はまだ種類の同定にはいたってはないです。
試験地はそんな常緑広葉樹林の中にある1本のクヌギを中心に10m四方の区域を設定しました。その中をさらに5m四方に区切りそれぞれA,B,C,Dの4区画に分けました。それぞれの区画にある樹木は全て常緑広葉樹でした。種類は同定できてませんが、カシの仲間だと思います。また下草はアシビ以外は見当たりませんでした。区画設定の時期が2月なのでこれから生えてくるかもしれませんが、回りにはシカの糞が大量にあるので生えてのすぐに食べらる可能性は高いと思われます。
試験地の向きは南西を向いており日当たり非常にいいです。特に午後から夕方までしっかり日光が入るので強く日光を入れてしまうと土壌の乾燥が心配なので様子を見ながら徐々に日光を入れていこうと思っています。荒っぽい分け方ではありますが、下の写真の中心にクヌギがありA区画が北、Bは東、Cは南、Dは西になります。
試験地の土壌ですが尾根筋で乾燥しているようです。杉、桧の人工林への転換をしなかったことから栄養分が少ない痩地であると考えられます。林業が盛んな川上村では広葉樹などの雑木が残っている山林は植林に適さなかった場所で岩場であったり悪条件である所がほとんどと言ってもいいぐらい人工林が多い村です。
A区画にはカシ類が4本。B区画には樹木はなし。C区画にはカシ類が4本。D区画にはカシ類が4本生えていました。 下草と呼ぶには大きいアシビが全ての区画に生えています。
今回の試験では全ての区画内にあるアシビは全て刈り取ります。そして日光の入る区画を決めて区画内と区画外の樹木を伐採して日光を入れることにより下草の生育具合そしてクヌギの自然下種更新ができていくのかを観察したいと思っています。