徒然の記

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樹種転換を試みる〜試験地の立地〜

樹種転換を試みる試験地は 吉野郡川上村のにある山林です。有名な吉野杉、桧の産地なので、針葉樹の人工林が多いのですが、試験地はカシ類の常緑広葉樹が主で尾根筋にあります。

吉野郡川上村での植林の歴史は500年前に遡る事ができ、現在でも200年を超える人工林が残る林業地帯です。試験地の周りも杉、桧の人工林です。試験地は杉、桧の植林にはあまり良くない土地だったので広葉樹のまま残ったそうです。カシ類が多いのでその木を利用して炭を焼いていた時期もあったようで、山林内には炭窯跡もあり、ここの木を利用して炭焼きを行なっていたそうです。

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そんな常緑広葉樹の林の中にクヌギが生えているのを見つけこのクヌギを中心にクヌギ林にしてみたい、カブトムシやクワガタムシを見る事ができて、キノコ採りできる山林にできるのでは?と思い樹種転換を試みてみようと思ったのがこの計画のきっかけです。

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試験地のある山林。尾根筋に広葉樹があり両隣は杉、桧の人工林です。この尾根筋も広葉樹だけでなく桧やモミ系の針葉樹や数は少ないですが落葉広葉樹もあります。

クヌギはわかるのですが他はまだ種類の同定にはいたってはないです。

試験地はそんな常緑広葉樹林の中にある1本のクヌギを中心に10m四方の区域を設定しました。その中をさらに5m四方に区切りそれぞれA,B,C,Dの4区画に分けました。それぞれの区画にある樹木は全て常緑広葉樹でした。種類は同定できてませんが、カシの仲間だと思います。また下草はアシビ以外は見当たりませんでした。区画設定の時期が2月なのでこれから生えてくるかもしれませんが、回りにはシカの糞が大量にあるので生えてのすぐに食べらる可能性は高いと思われます。

試験地の向きは南西を向いており日当たり非常にいいです。特に午後から夕方までしっかり日光が入るので強く日光を入れてしまうと土壌の乾燥が心配なので様子を見ながら徐々に日光を入れていこうと思っています。荒っぽい分け方ではありますが、下の写真の中心にクヌギがありA区画が北、Bは東、Cは南、Dは西になります。

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試験地の土壌ですが尾根筋で乾燥しているようです。杉、桧の人工林への転換をしなかったことから栄養分が少ない痩地であると考えられます。林業が盛んな川上村では広葉樹などの雑木が残っている山林は植林に適さなかった場所で岩場であったり悪条件である所がほとんどと言ってもいいぐらい人工林が多い村です。

A区画にはカシ類が4本。B区画には樹木はなし。C区画にはカシ類が4本。D区画にはカシ類が4本生えていました。 下草と呼ぶには大きいアシビが全ての区画に生えています。

今回の試験では全ての区画内にあるアシビは全て刈り取ります。そして日光の入る区画を決めて区画内と区画外の樹木を伐採して日光を入れることにより下草の生育具合そしてクヌギの自然下種更新ができていくのかを観察したいと思っています。